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日々思い浮かんだことを、気の向くままにあれこれと…
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中国に来てから、日本との違いを色んなところで感じる。
違いを感じる時というのは日本ではこうなのに、中国ではこうで嫌だという拒否反応からだと思う。
だけど、お邪魔しているのはこちらの方、郷には郷に従うために、なるべく理解したいと理由を分析する。それには中国の歴史小説を読むのがいいと思い、選んだのがユン・チアンのノンフィクション小説「ワイルド・スワン」。
私は学生の頃、歴史の時間(歴史だけじゃないけど)何を学んできたんだろう?歴史の教科書からドラマを想像することが出来なかったことが、本当にもったいなく感じる。
だからか!と思うところがたくさんあった。
文化大革命を体験しただろうと思われる世代の人を見ると、恐れ入ってしまう。
日本でも戦争体験の話を受け継ぐことは必要とされているが、文化大革命を語り継ぐのはタブーがいっぱいな気がする。今、感想を書こうとしても、なんだか躊躇してしまう。ユン・チアンは勇気のある人だ。
情報の規制なんて、意識したことなかったけれど、中国に来て情報の規制なんて簡単なことで、知ることが出来なければないも同じ。「嘘はついてない。言わなかっただけ」という逃げ道は、普通の日常にもあることだけど、嘘は悪いと誰もが言えるが、伝えないことは悪いと言い切れないのがうまいところというか、にくいところというか…。
文化大革命の時に国が望む政策を分かったところで、分かった人間が少数ならば、苦しい葛藤を抱えるだけで逆に分かったことを隠した方がいいという状況になってしまう。
国を動かす立場の人間が望むことで、こんなにもコントロールされるとは恐ろしい。
それは日本だって、どこの国だって同じこと。平和な思考を持つようになっている日本人は、果たしてコントロールされていないとは言い切れない。
嫉妬という人間の心理を上手に利用した毛沢東。他の心理戦だってあるはずだ。
「ワイルド・スワン」は、私が中国のことを考えるのに、とっても助けになる本だった。
ショックな話が続いて深い溜息も出たけれど、厳しい状況の中でも知的好奇心を持てる作者に驚いた。豊かな環境でないと知性って磨きにくいものかと思ったけれど、そうではないらしい。「アンネの日記」のアンネ・フランクを思い出した。
文化大革命中は親を裏切る子や、子を裏切る親も多かったようだが、強い精神力やぶれない愛情を持っている人は持っている。自分がその状況で、どんな人間なのか分かりそうだけど、その状況も避けたいし、自分の究極を知るのも怖いと感じる。


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